10万円のコーヒーの味を語ろう【ザ・ミュンヒ】

こういつです。

あなたには信じられるだろうか?1杯10万円のコーヒーがあるということを。

その冗談のようなコーヒーを出す喫茶店は大阪に実在する!!

実は僕、飲んだことがあるんです。

昔「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」という番組をみていた。その中で10万円のコーヒーが紹介されていた会があった。

そのときは「へー」くらいに思っていたのだが、それから数年してコーヒーが好きになった。時間とともに遠い記憶にある10万円コーヒーが気になり始めていた。

友人に冗談めかして「ミュンヒに飲みに行こう」と話していたことはあったが、誰も本気にしなかった。誰かが話に乗ってきたら行くつもりはあったが、その機会は訪れなかった。

それから更に数年、仕事で大阪に行く機会があった。

ザ・ミュンヒがあるのは大阪。これはいい機会かもしれない。挑戦してみるか?

しかし、1杯のコーヒーに10万円は異常な金額だ。僕は迷った。

だが、「もしかしたら10万円は安いんじゃないか?だってこの一杯で一生話ができるぜ」ともうひとりの僕がささやいた。

決意が変わらないうちに知り合いを誘い退路を塞いだ。そして電話をかけ、営業しているかを確認。

すると電話の向こうの店主であろう人物から、先に注文することを勧められた。理由を聞くと「デミタスコーヒーを注文すると抽出に1時間かかるから」とのこと。

コーヒーを入れるのに1時間かかる?

これまた破天荒は事実を知り期待が高まる中、電話でコーヒーの種類をいくつか聞いて注文してみる。

僕は10万円のコーヒーと心に決めていたが、道連れにした連中も僕が奢ることにしていたので別の種類を注文したのた。しかし、その他のコーヒーも数千円というコーヒーとしては高額だった。

いったい、どんな店なのだろうか?

高速道路を1時間ほど走り、住宅街へとはいる。完全な住宅地の中をナビが指し示す道を進む。

ついに駐車場を発見したのだが・・・・

高額なコーヒーしか置いていない喫茶店の駐車場にしては、驚くほどショボい雰囲気の駐車場についた。

まあ、駐車場だしお店はこんなもんじゃないだろう?

駐車場から一軒挟んだ先の建物にミュンヒの看板を見つけた。想像以上にボロい外観・・・ちょっと心配になる。

確かに喫茶店、間違いはなさそうだ。

恐る恐る入ってみると、一人の老人が大量のコーヒー豆をドリップしていた。

ザ・ミュンヒのマスターだった。

来店の時間に合わせ、1時間前からドリップして準備していたのだった。

通常の10倍の豆を使ったネルドリップ。

布の先からぽたりぽたりと、雫を集めるようにコーヒーを抽出している。

店の外観からは想像もつかないような高級カップやグラスたち。

マスターはとても話が好きな方で、抽出が終わるまでコーヒー談義が止まらなかった。

そして、完成したコーヒー。カップも数万円するものを使っている。

机の角に触れるのも怖くて、動くときは自然と動作がゆっくりになる。

そしてついにメインの登場。

24年間熟成させた一杯10万円のコーヒー。樽に保存されているコーヒーを注ぐのは、なんと500万円のカップ。

注がれる様子を動画に撮らせてもらったので、ぜひ観てほしい。

注がれる液体は、コーヒーとは思えないほど深い黒でドロリとしている。

喫茶店とは思えない金額の伝票。ちょっとコーヒーの名前が定かではないので伝票の内容をそのまま書くと

  • スパルタンW 苦味の苦味 2500円
  • 苦味の甘み 150g   3600円
  • ゲイシャ 酸味の甘み   6600円
  • タルコーヒー     100000円 

で、合計112900円。

ちなみに、このコーヒーを注文したのは僕が世界で6人目とのこと。

40グラムで10万円のコーヒー。そして500万円のカップ。持つだけでも緊張する。

なかなか口をつけることができない。

コーヒーを飲むだけでこれほど勇気が必要な事があっただろうか。

しかし、飲んだら無くなってしまう。しっかりと味を感じることができるのだろうか?など心配事も首をもたげる。

チャンスは40グラムしかない。雑念を捨て、集中して味わえ!

そっと口をつけ、少量を流し込み、下のうえで転がすように味わってみる。

 

違う!

 

それは、僕が知っているコーヒーではなかった。マスターがこのコーヒーを超想定外と銘打っているのは本当だった。それはもはや、コーヒーと言えるものではなかった。

濃縮された樽の樹液とコーヒー。ブラックなのに甘みすら感じる。強いて例えるならシロップのような液体。

それはもうなんとも言えるものではなかった。味で感動するなんていつぶりだろう。というか、味で感動するなんてことがあるとは思わなかった。あんなものは漫画の中だけのフィクションだと思っていた。

しかし、僕は感動に震えていた、アムリタもしくは甘露というものが実在するならば、きっとこういう味に違いない。

スプーンをもらって友人たちにもおすそ分け。

500万円のカップはマイセンの図鑑に載っているものと同じもの。同じ製品ではなくて、ほんとにこのカップが載っいるとのこと。

店内にはお店の名前の由来になったバイク。一台7000万円なり!!

一杯10万円のコーヒーを飲んだ経験は自分の中で宝物になりました。
味わえたことはもちろん、ずーっと話せるネタにもなったし、
そして更に良かったことがあって、

マスターの話を聞けたことが、すっごく勉強になった!

ミュンヒのマスターってものすごく話が好きみたいでいろんなことをずーっと聞かせてくれたんです。

で、最初はただの変わった人かとおもったら実はびっくり商売の達人だった。

そうじゃなきゃ、大学時代のバイトだけで今でいうとこの数千万円稼いだり、わかいときに7000万円のバイク買えたり、お店にマイセンやバカラの高級食器が並んでたりしませんよね。

そんな達人から、商売はこうやると成功するんだよって話をたっぷり聞くことができたんです。

その価値だけで正直10万円以上の価値でした。

 

もし、あなたがコーヒー好きなら一度は行ってみることをおすすめします!