【読書】客家(はっか)大富豪の教え は生き方でも役立つお話

「客家(はっか)大富豪の教え 甘粕 正著」を読みました。

客家というのは漢民族の一支流なんだけど、もともと中国にいた先住民族からは「よそもの」なので客家とい呼ばれるようになった民族だそうです(でも漢民族で、少数民族ではない)

この本は、日本の実業家が「中国のユダヤ人」と呼ばれる華僑、その中の1割ほどを構成する客家の大富豪の老人に教えを請い、成功していくというお話。

物語仕立てのビジネス書です。

細かい話やノウハウではなく、大原則が書かれていたので人生の指南書としても役立つと感じました。

運はコントロールできる

他人に親切にしても、その人から何か返ってくることはまずない。    しかし、その人の友人やそれを見ている人間が必ずいて、その人間から運を与えられる。

まさに「情けは人の為ならず」

小さい頃、おばあちゃんにもよく同じようなことを言われていました。
人に親切にしていたら、その人じゃなくてもどっかから帰ってくると。

ほしければ先に与えるということにも通じそうですね。

長い長い目で目れば、「正直者は得をする」のだと思います。短期目線では悪人が儲かるようなことがあっても、長期の目線で幸せなのは親切な人間だと思うとホッとするし嬉しいですね。

愛嬌が最強

『頭がよいと尊敬されても一円の得にもならない』。客家の金言の中に『商いに成功する者には必ず 愛嬌 がある』というものがあるが、『少し抜けているくらいの印象を与えるほうが、他人に好かれてビジネスは成功する』

まわりにいませんか?

特別能力が高いわけでもないのに、なぜか人に気に入れらて物事がうまく進む人。

「俺は頭いいんだ!俺はすごいだ!」という姿勢でブランディングをしようとする人をよくいますが、それでもそこそこうまくいくのはよっぽどのカリスマ性がある人だけです。

それに、そんなに肩肘張っていたら疲れるし、崇拝はされても人として好きになってもらうことは難しい。

愛嬌があって他人に気に入らる人は、自分の力+他人の力で成功するんだと思います。

他人を責めても良いことはない

『他人を責めるということは、自分を袋小路に追い込む』のと同じことだ。あなたに責められた相手はさらにあなたにひどい仕打ちをするに違いない。そこには理屈などない。あるのはむき出しの感情だけだ。

この部分は、個人的にぐさーっと刺さりました。

実はここしばらく仕事関係でトラブルがあったんです。内容は書きませんが、簡単にいえば信頼していた人から裏切られたってこと。

ほんとに落ち込んだし、恨みもしました。

でも、その結果どうなったかというと、何も前に進まなかったんです。

トラブルがあって損失があれば、本来ならもっと頑張らないといけない。なのに、すねた心は前に進めない。

同じところをぐるぐるまわり、何一つ創造的なことができない。

他人を責めていれば楽なんです。そのせいにできるから。

ただ、後に何も残らない。

高い高い視点から見れば、まったくの無駄なエネルギーであり無駄な時間です。

自分の人生は自分のものだから、自分がより良い人生になるようにパワーを使ったほうがいいでしょう。

壁にぶつかったとき

かうまくいかない壁にぶつかったときには、自分の得意とする分野で 勘 を取り戻し、なおかつ自信も取り戻さなければならない。

壁にぶつかると、どうにかしようとして泥沼にハマっていきますよね。

僕も上記の、落ち込んで何もできなかった時期があり、仕事も何もやめたときがあります。

全く新しい分野でやろうと思ったのですが、いざやってみるとこれがなかなかうまく行かない。

そうなると焦ります。あれ、おかしいなって。

だって、会社をやめて起業して、悪い奴らがよってくる程度には成功した経験があるんです。

なら僕なら何やってもうまくいくと思ってた。でも、落ち込んでいた自家のせいなのか、畑違いにとまどったのかうまく行かない。

そんなときに試したのがまさにこの金言でした。

実感として、この言葉の大切さがわかります。

大義名分が必要

『大義名分を根気よく唱えれば、必ず道が開ける』。  逆に、『金儲けをしたいだけの人がどれだけ集まっても、ビジネスは発展しない』。そのような人々は、自分が稼ごうという気持ちが先に立って、本音では他の人々に協力しようなどと考えないから

これから起業したい若い人には、心してほしい言葉です。

起業して成功した当時、僕は調子に乗っていた時期があります。

あれも我慢、これも我慢していた昔から比べると好きなようにお金を使えるようになった。まだ若く有頂天になっていたかもしれません。

教えてほしいという人が現れ始め、教えた人たちもうまくいき始めると、なんだか皆人が変わってしまいました。

まるで、お金と引き替えに大切なものをなくしたような感じでした。

逆に、よのなかのいわゆる儲け話にも気をつけなくてなりません。

例えばおかしなマルチ(MLM)なんかは、「商品が良い」からよりも「お金が儲かりますよ」です。

「自分が儲けたい!」という人の集まりは、その集まりの中で食うものと食われるものになってしまうだけなんです。

未来は予想できる

『長い時間あるいは大きな範囲をとれば、そこにはトレンドというものが発生するから、そのトレンドをしっかりとつかめればかなりの精度で予想ができる』。しかし『短期間あるいは狭い範囲だけを予想すると、そこにはトレンドがないから、簡単そうに見えて実は予想が困難』

近い未来のほうが予想できるような感じがしますが、実は長い目線で見たほうが予想しやすい、ということ。

株式投資だとわかりやすいですね。

明日の相場は運ですが、来年再来年は世の中の流れをみていればそうそう外さない。

ついつい近視眼的にものごとを考えてしまいがちですが、実は長い視点で考えたほうが判断を誤らずにすむんですね。

長所を伸ばす

『欠点は直らないが、長所を伸ばし、その長所によって欠点が見えなくなるようにすることは可能だ』

この言葉は、かなり昔からあちこちで聞く気がします。

なのに、人間って欠点のほうに目が行きがち。本能なんですかね?

多分、真面目な頑張り屋さんほど、欠点を治そうと頑張ってしまう気がします。

欠点の克服に時間を費やして人並みになるよりも。長所を伸ばして人並みに以上になったほうがビジネスでは役立ちます。

ただし、自分の欠点はわかっている必要あります。自分の欠点がわかっていれば、それを補うためには?と考えられますからね。

周りの人を幸せにする

自分の欲望を満たしたければ、まず周りの人間を幸せにしなければならない。そして、周りの人間を幸せにしたいという気持ちが昇華したものが、これまで話してきた客家の英雄たちが抱いてきた『 志』だ。

自他不二の考えに通じる物があると思います。

志って大欲ですよね。

大欲は無欲に似たり。

大きな欲をもっていれば、目先の欲にくらんで判断を誤ることもなく、人を幸せにする志でがんばるのだから、結局は他人の応援も得られる。

 

この本は、ネットをパラパラとみているときにふと目にとまった本でした。

そこで、読んでみたら結構衝撃。
ちょうど自分の境遇にぴったりな言葉がポコポコ出てたんですから。

誰もが他人が幸せになることを考える人達の集団は、きっと幸せで楽しいところに違いありませんよね。